相場が注目される輸入商品
1.麻竹缶詰(中国産)
今年は8月末で対日向けの生産は終了したが、他国向け06年生産商品の在庫調整などで生産が活発でなく価格も昨年比で下落。
しかし中国政府による輸出検査コストの上昇に加え、人民元高により昨年並みの価格に落ち着くものと思われます。
2.あわび缶詰(オーストラリア産)
依然としてフレッシュあわびに対する香港・中国本土の需要が強く、また一部地域での病気などに起因する原料不足もあり、缶詰用原料の状況はよくなく価格も高止まり。
加えてオーストラリアドルの高騰により来年の北京オリンピックまで価格は上がる見込みです。一方国内の状況も輸入業者の減少により年間を通じての安定供給が課題で交渉中
3.ツナ缶詰
キハダ鮪は、世界的な需要の高まりで、昨年来の魚価の上昇によりツナ缶詰用の原料価格も上昇し続けている。このため缶詰用原料の量が激減し、生産を見合わせる工場が増加した。従って、これから年末に向けて、品薄且つ製品高の非常に厳しい状況が予想されます。
4.コーン缶詰(アメリカ・タイ産)
世界的なバイオエタノール需要で、今年の米国産コーン缶詰は大幅に値上がりしており、契約価格は、昨年比10%程度のアップになり、タイ産にシフトする業者が増えたため価格も大幅にアップしている。タイ産に関しては昨年より価格メリットが解消しつつあり、今後さらにタイ産が増えるものと思われる。品質もタイ独自の品種改良成果により年々向上している。
5.チーズ
諸外国の影響で需要が消費を大きく上回り、特に脱脂粉乳は過去に例のない高い相場で取引が行われており、乳製品輸出各国では脱脂粉乳の増産に注力し、チーズの増産が期待できない状況のため原料チーズ価格が世界レベルで高騰を続けています。
このような状況から、今後も世界的な乳製品の需給関係が緩む兆しは見えず、引き続き高値で推移する見通しです。
冷凍素材の生産供給、相場見通し
1.カキ
今年の水揚げは、昨年の水揚げ減少から一転して順調な水揚げになっており、冬場の消化の行方に期待がかかっています。
ここ数年来の韓国産カキも輸入が減少し、国産カキの消化が主体になる見通しです。
2.カニ
タラバ・ズワイ共に引き締まった展開になっており昨年の割安感は解消されつつあり、相場は上げ基調になっています。消化ペースは昨年並みで推移しており年末に向け相場は強含み。
3.ボイル帆立
今年の生産数量は約16千トンで、ほぼ昨年と同レベル。今年は繰越在庫もなく、市場供給量は昨年8~9割程度。これまでのところ相場は横這いで推移しているものの年末に向けて相場は引き締まってくる可能性があります。中型サイズは不足気味ですが、小型サイズは青森産が供給されるため、比較的余裕がある模様。
4.ベビー帆立
昨年の高値張り付き相場から一転し、今年は久々に安定感のある相場が続いています。
相場・消化ともに春先から安定し順調。但しMサイズはほぼ払底しており2L・Lの大型サイズ主体。価格も大型サイズとMサイズとの値差が大きく開いている状態。
年末にかけて消化も進み、年明け以降は強含みが予想されます。
5.帆立貝柱
主産地のオホーツク地区の水揚げは、6月以降本格化し10月頃まで続きますが、昨年の大型サイズ(L~S)が極端に不足した展開から一変し、大型サイズは順調に推移しており相場も修正されてきています。
消費も回復傾向にあり、荷余りのない展開が予想されます。