◆◆相場が注目される輸入商品◆◆
1)なめこ
昨年の晩夏から初秋の暑さで菌が死んでしまったことと、欧州向けの冷凍・瓶詰めの受注が好調であったことから日本向けの足の短い原料が入荷しなくなってしまった。そのため、原料の確保が難しく対日向け商品の原料価格は大幅に上がった。
なめこ缶詰の生産量は、一昨年の60~70%に減っており、価格も10%ほどアップした。数量確保が非常に厳しい。
2)冬筍
冬筍の市場も、春筍の小さいサイズを冬筍と称した商品によって長い間低迷が続いたが、中国国内での商標権が確立して「船牌」ブランドが勝手に使用出来なくなったことと、印刷缶による差別化によって徐々に市場が正常化に戻っている。
元々、冬筍は土の中の原料を探して収穫する手間の問題で、春筍に比べて50%程度価格が高い。今後は本物の冬筍の流通に戻るものと期待されている。
3)マッシュルーム
新物マッシュルームの生産時期が近づいた。過去2年間原料価格のアップにより栽培面積が増えてしまい、価格が下がるのではないかという予測だが、実は対日向けの値下げは厳しい状況にある。これは、欧州や中近東・南米からの買い付けが殺到しており、日本向けの小さな厳しい規格の原料を収穫しなくても、大きい傘の開いた原料でいくらでも売れるので農家が日本向けの原料を作りたがらないためである。
従って日本向け原料の確保には、欧州向け原料の2倍くらいの価格提示をしないと集まらないのが実態であるが、価格もさることながら、数量確保が問題になってくる可能性が考えられる。
4)あわび
年末にオーストラリアが鮑の漁獲枠を殆ど使い果たしている状況で、鮑の価格動向は一服状態にあるが、中国及び華僑圏が2月初めに春節を迎え、それらの需要が高まると考えられる。従って、契約価格が多少高めに推移するものと思われる。
◆◆冷凍素材の生産供給、相場見通し◆◆
1)ノルウェー産さば
ノルウェー産さばは、脂のノリが良く柔らかいため、昨今ポピュラーな魚として広く食されているが、近年相対的に安く質の良い国産さばが出回ったことにより、国産物に押されている。今年の新物についても、ロシア・東欧・EUの買い付けが強く高値で買われているため買い付けしきれず、昨年に引き続き日本への搬入量が少なく、原料事情としては厳しい状況が続いている。
2)国産真さば
漁獲枠の規制と不漁により、昨年の1/3に漁獲量が減少
ノルウェー産さばの高騰と輸入量の減少により、相場が高値で推移しており、また物量も全体的に不足している状況が続いている。
今後の見通し
2歳から成熟するさばの量が少ないと観測され、08年の国産漁獲高は減る見込み
3)紫いか
これまでの漁獲数量としては、例年の8割平均程度で、海水温の上昇による回遊ルートの変化と資源の減少等が起因していると思われる。今後の漁獲予測では、何とか昨年並みに近いレベルまで持ち直しそうであるが、小さなサイズが多い見込み。
4)ペルーいか
紫いか同様の原因と大型の漁獲サイズ大半で用途が限定されているため、操業率も低いことから漁獲状況は悪い。このため、世界的な原料在庫は非常に不安定な状況で、相場価格はジリ高の見込み。
5)輸入鶏肉
鳥インフルエンザの断続的な発生により、依然としてブラジル産が9割以上を占める。ブラジル国内での賃金・飼料・移動燃料などのコストが高騰し、為替高も重なって、価格は上昇を続けている。このため、買い付けできない可能性もあり、鶏肉需要が高まれば更に価格上昇の可能性を含む。