冷凍野菜復活も、第3の供給地開拓を視野に
直近の輸入通関統計によれば、1月~4月までの冷凍野菜の輸入量は26万2,700トンと前年比で10.2%増と大幅な伸びを見せて推移しています。
同時期の、米国産ポテトの輸入量が7万2,177トン(前年比118.47%)と昨年に引き続き好調なことと、中国産冷凍野菜が順調に回復していることが大きな要因です。
また、冷凍野菜復活の要因として、もう一つ挙げられるのが、昨年来続いている台湾、タイの続伸です。従来、台湾産の枝豆を除き、タイ、インドネシア、ベトナムなどの冷凍野菜は、中国産の補完と言う意味合いが強かったのですが、残留農薬問題以降の産地多様化の流れの中、その傾向は加速しました。
ここ数年、タイ産枝豆も品質管理の徹底、競争力強化のための品種改良等を進め、中国の代替地と言うだけでなく、確かなブランド力を持った商品として成長、台湾産枝豆に急追しつつあります。
ただし、台湾は関税面で大きなハンデを背負っており、公平な競争の面からも日本の業界から行政に対して何らかの働きかけが必要と思われますし、中国での労働者人件費の高騰、高額品目への転換などによる中国産の価格上昇も台湾・タイ産の伸長の大きな要因です。
中国産もライバル国との競争が激しい品目は安値傾向で動いていますが、中国独占生産に近い商品の単価高騰は激しく、特に里芋は今年に入り前年比2桁増となっています。
今後もこの傾向は強まると思われ、中国産冷凍野菜の復活に拘らず、価格競争面からも第3の供給地開拓は不可欠だと思われます。